道楽の囚人

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【2017年上半期刊行】おすすめ小説10選

2017年上半期(4月~9月)に出版された本のおすすめをご紹介します。 

単行本、文庫本それぞれ5冊ずつピックアップしました。それぞれ刊行の古い順に挙げています。

致命的なネタバレはありませんが、読む前に先入観を一切持ちたくない、という方はコメント部分を読まないことをおすすめします。

 

 

では、まず単行本部門から5冊ご紹介です。

 

誰かが見ている

誰かが見ている

誰かが見ている

 

夫婦にも親子にも恋人にも「裏」がある。女性4人が繰り広げる極限のサスペンス!千夏子…ブログに虚偽の「幸せな育児生活」を書くことが止められない主婦。結子…年下の夫とのセックスレスに悩む、アパレル店の店長。春花…ストレスで過食に走り、恋人との結婚だけに救いを求める保育士。柚季…優しい夫と娘に恵まれ、円満な家庭を築いているように見える主婦。それぞれの思惑が意外な形でリンクする時、絶望と希望の天秤が激しく揺れる(「BOOK」データベースより)

第52回メフィスト賞受賞作です。

メフィスト賞といえば「面白ければ何でもOK」の精神の元、キテレツな作品を数多く世に輩出した賞として有名ですが、今作は結婚、家庭、子育てに悩む4人の女性の群像劇、といった、ちょっと意外に思えるほど「まとも」な題材がテーマです。

誰しもが一度は抱いたことのあるであろう、他人への妬みや嫉妬が居た堪れないほど露わに描かれています。

こんなはずじゃなかった。もっと幸せになれるはずだったのに。

そんな彼女たちの痛々しい悲鳴に怖気を覚えつつも、その切実さに思わず引き込まれてしまいます。

「誰かが見ている」というちょっと不気味なタイトルが、読後は思わぬ余韻となって染みわたることでしょう。

 

獏の耳たぶ

貘の耳たぶ

貘の耳たぶ

 

自ら産んだ子を自らの手で「取り替え」た、繭子。常に発覚に怯え、うまくいかない育児に悩みながらも、息子・航太への愛情が深まる。一方、郁絵は「取り違えられた」子と知らず、保育士として働きながら、息子・璃空を愛情深く育ててきた。それぞれの子が4歳を過ぎたころ、「取り違え」が発覚。元に戻すことを拒む郁絵、沈黙を続ける繭子、そして一心に「母」を慕う幼子たちの行方は…。切なすぎる「事件」の慟哭の結末。渾身の書き下ろし!(「BOOK」データベースより)

血のつながり、心のつながり。

親とは、子とは、どちらのつながりを以て呼ぶ関係性なのでしょうか。

選べるはずのないその二つのどちらかを選ぶことを強いられた母親たちの、身を切るような苦悩を描き切った筆力に感嘆です。

前半は繭子の身勝手さ、不安定さに思わずイライラしてしまうこともあるかもしれません。

ですが、母親たちのどうしようもなく怒りや悲しみの圧倒的な熱量に飲み込まれ、一気読みしてしまうこと請け合いです。

ただ、読んでいて気持ちの良い作品ではないので、手に取るときの精神状態にはご注意ください。

 

かがみの孤城

かがみの孤城

かがみの孤城

 

どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す―(「BOOK」データベースより)

個人的2017年上半期ベストです。

辻村深月さんの作品はほぼすべて読んでいますが、最高傑作と呼んでも大袈裟ではないでしょう。

登場するのは、様々な理由から学校に行けなくなった子どもたちです。社会の理不尽さから身を守る彼らの繊細さが、こちらが傷ついてしまうほど瑞々しく描写されています。

闘わなくてもいい。逃げてもいい。弱くてもいい。そのままでもいい。そう肯定してくれる作品がまた生まれたことを、とても嬉しく思います。

最後の1ページまで、あまりにも満ち足りた幸福な物語に、鳥肌が立って仕方がありませんでした。

一点の曇りもなく、読んでよかったと断言できます。おすすめです。

 

三つの悪夢と階段室の女王

三つの悪夢と階段室の女王

三つの悪夢と階段室の女王

 

行政書士の斉木にかかってきた不穏な電話。男は斉木の娘を誘拐したと告げ、返してほしければ、指定の場所に来るよう命じる。要求を受け入れ斉木は、誘拐犯が衆人環視のなか、ビルの屋上から飛び降りようとしているのを目撃した。その場で斉木に突きつけられた理不尽な要求とは―?(新人賞受賞作「マグノリア通り、曇り」)ほか、衝撃の短編3編を収録!(「BOOK」データベースより)

本作がデビュー作です。

日常に降りかかる「不条理」を描いた短編集です。悪意などではなかった、自分の軽はずみな言動が引き起こす悲劇が、ヒリヒリとした緊迫感と共に語られます。

「みんなやっているから」「自分だけじゃないから」そういった言い訳をしながら、ちょっと後ろめたいことをしてしまった経験がある人ならば。ゾッとできる作品のはずです。

デビュー作とは思えない程しっかりとした作品集です。

 

満月の泥枕

満月の泥枕

満月の泥枕

 

哀しき人、公園の池に沈めたのは…。娘を失った男、母に捨てられた少女。ろくでもない生活の終わりは、いつくる?生の悲哀、人の優しさが沁みわたる、人情ミステリーの傑作!(「BOOK」データベースより)

最近の道尾秀介さんの作品に比較的多い、ドタバタ系の人情劇です。

でたらめな登場人物たち、でたらめで暑苦しい展開。そういった作品は多く世に溢れていますが、それだけでは終わらないのが道尾さんの作品ならではです。

誰もがみんな、生きている限り少し悲しいものです。その悲しみを優しく包み込んでくれる満月の光を、道尾さんは届けてくれようとしています。

大切な物を諦めない、みっともなくても縋りついて、生きていく。その暑苦しさに救われる作品でした。

読み終えたあとに「満月の泥枕」というタイトルの意味を、ゆっくりと考えたくなります。

 

 

ここからは文庫本部門から5冊をご紹介です。

文庫化を待って購入するという方も多いと思うので、今年度に文庫化された作品から選出しています。

 宇喜多の捨て嫁

宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)

宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)

 

娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、権謀術数を駆使して戦国時代を駆け抜けた戦国大名宇喜多直家。裏切りと策謀にまみれた男の真実の姿とは一体…。ピカレスク歴史小説の新旗手ここに誕生!!第92回オール讀物新人賞をはじめ、高校生直木賞など五冠を達成した衝撃のデビュー作。特別収録・高校生直木賞ルポ。(「BOOK」データベースより)

これがデビュー作とは、恐れ入ることしかできない出来栄えです。(正直、誰かの別筆名を疑いました。)

時は、裏切りと策謀が渦巻く下剋上の時代。自分の娘でさえも「捨て駒」ならぬ「捨て嫁」として利用し、数々の武将たちを滅ぼした梟雄、宇喜多直家の姿を多角的に描いた連作短編集です。

物語が進むにつれてここまで表情を変えていく作品を、私は他に知りません。どんどん広がっていく世界に、構成の上手さを思い知ります。

美しいだけの作品ではありません。思わず顔を歪めてしまいそうな、悍ましく醜悪な展開もあります。それでも、読後は静かな感動が胸に溢れます。

時代小説は苦手…という人にも読んでいただきたい、完成度の高い作品です。

 

若冲

若冲 (文春文庫)

若冲 (文春文庫)

 

京は錦高倉市場の青物問屋枡源の主・源左衛門―伊藤若冲は、妻を亡くしてからひたすら絵に打ち込み、やがて独自の境地を極めた。若冲を姉の仇と憎み、贋作を描き続ける義弟・弁蔵との確執や、池大雅与謝蕪村円山応挙、谷文晁らとの交流、また当時の政治的背景から若冲の画業の秘密に迫る入魂の時代長篇。(「BOOK」データベースより)

最近生誕300周年を迎え、何かと人気の伊藤若冲を独創的に描いた長編小説です。

彼の絵を目の前にすると、目の前の燃える命に、まるでこちらの生命力を吸い取られているような感覚になることがあります。

若冲が、そんな圧倒的な作品を描かなくてはいけなかった理由とは何か。澤田瞳子さんは、その理由を義弟との確執に置いています。それが真実だとはもちろん思いません。

ですが、燃える命を描き続けるということは、滅びゆく命を描くということと同じであるのかもしれません。

抱く感想は人それぞれだと思いますが、若冲に興味のある人は読んで損はないでしょう。

 

死と砂時計

死と砂時計 (創元推理文庫)

死と砂時計 (創元推理文庫)

 

死刑執行前夜に密室で殺された囚人、満月の夜を選んで脱獄を決行した囚人、自ら埋めた死体を掘り返して解体する囚人―世界各国から集められた死刑囚を収容する特殊な監獄で次々に起きる不可思議な犯罪。外界から隔絶された監獄内の事件を、老囚シュルツと助手の青年アランが解き明かす。終末監獄を舞台に奇想と逆説が横溢する渾身の連作長編。第16回本格ミステリ大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

本格ミステリ大賞受賞作の名に恥じない、完璧な設定、タイトル、結末の連作短編集です。

死刑囚ばかりが収容された終末監獄という舞台設定を巧みに生かした、読者の意表を突くトリックにニヤリとしてしまいます。

特に、なぜ墓守は遺体を破壊したのか?というホワイダニットの「墓守ラクパ・ギャルポの誉れ」と、どうやって男子禁制の女性監獄で女囚は懐妊したのか?というハウダニットの「女囚マリア・スコフィールドの懐胎」はまさに完璧です。

そこから畳み掛けるように最終章に雪崩れ込めば、すでに読者は鳥飼否宇さんの手のひらの上…と言っていいでしょう。

 

○○○○○○○○殺人事件

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)

 

アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。さらには意図不明の密室が連続し…。果たして犯人は?そしてこの作品のタイトルとは?第50回メフィスト賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

第50回メフィスト賞受賞作です。

読者を馬鹿にしたようなタイトルですが、このタイトルこそがこの作品の真骨頂。前代未聞、タイトル当てミステリです。

タイトルが分かればトリックも分かるという人を食ったような趣向ですが、孤島での連続殺人、仮面を被った当主…というように、設定自体は本格ミステリの王道をいきます。

ですが、タイトルとすべての真相がわかった瞬間、思わず苦笑いしてしまいました。アンフェアではありません。

ですが、笑って色々なことを許せる方、少しお下劣な展開もOKな方にだけ、おすすめの作品です。

 

満願

満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)

 

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。(「BOOK」データベースより)

もしかすると、言わずもがなの作品かもしれません。2014年のミステリー年間ランキングで三冠に輝いた短編集です。

収録された6編どれもが高水準で、肌を切り裂かれるような緊迫感と切実さが秘められています。タイトルの「満願」は、収録されている一編のタイトルですが、この作品集全体通しての主題でもあるでしょう。

叶えたかった願いは、どれも仄暗い人間の欲望に根差しています。その願いが成就するときの大きな代償のようなものが胸を圧迫して、冷や汗が出そうになります。

色々書きましたが、単純に「小説が上手い」作品集です。

 

 

以上、2017年上半期に刊行された小説のおすすめ10選でした。

 

【Horizon Zero Dawn攻略】魚の皮、ネズミの骨、ウサギの骨の効率的な入手方法【ホライゾンゼロドーン】

不足しがちな魚の皮ネズミの骨ウサギの骨の効率的な入手方法をまとめます。

処理済みの鉄のブロック×1をメリディアンの専門商人と交換すると「スカベンジャーの影の箱」を入手できます。

この箱からはランダムで、魚の皮、ネズミの骨、ウサギの骨の他、新鮮な肉脂身肉骨つき肉が多数手に入ります。

メリディアンの専門商人と交換する処理済みの鉄のブロックをたくさん集めましょう。

 

処理済みの鉄のブロックの効率的な入手方法は?

1)ファストトラベルで下の場所に飛びます。

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2)滝までダッシュします。

途中スクラッパーが数体いますが、全部無視します。

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3)滝の左隣の洞窟のスクラッパーの資源の山から処理済みの鉄のブロックが必ず入手できます。

※スキル「ジャンクの知識+」があるとより多く入手できます。

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4)入手したらたき火まで戻り、クイックセーブ後、「Optionボタン」からQuick Restartを選択します。

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5)リスタート後はまた洞窟にアイテムが復活しているので、これをひたすら繰り返します。

 

スカベンジャーの影の箱はどこで交換するの?

メリディアンの専門商人が交換してくれます。

街が入り組んでいて分かりにくいですが、ここにいます。

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この人です。

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